長年、建設業界での高所作業が問題となっています。2015年の厚生労働所の発表によれば、建設業の労働災害による死亡者数は通年で300人近くに及び、その40%近くが墜落・転落事故となっています。
転落事故の原因には様々なものがありますが、「親綱」を張らずに作業を行うことが主たる要因ともいわれています。「親綱」とは高所作業などを行う際に命綱をひっかける為のロープを指し、高所作業時には柱と柱の間に掛けられます。
この親綱に命綱のフックを掛けて作業を行うことで、脚を滑らせても親綱が命綱を通じて人を支え、高所からの転落を防ぐ役割を果たします。しかし、柱から柱への親綱張りは人力で行う必要があり、作業自体に危険が伴います。
弊社はその「親綱張り」に関して、大阪航空局長より許可を得てドローンによる補助が行える他、人に代わって親綱張りの代行作業をドローンで行うことが出来ます。
「ドローンによる親綱張り」や「物の運搬」は全て、物件吊り下げにより行います。
物件吊り下げとは、ドローンに物を吊り下げて飛行させる行為であり、航空法では禁止されていませんが、許可・申請が必要となる飛行(市街地上空の飛行、目視外飛行など)では、航空局の標準マニュアルによって禁止されている飛行となります。
弊社は安全対策を講じた独自の飛行マニュアルを作成すると共に、物件吊り下げの為の機構を開発し、全国の範囲で物件の吊り下げを行う許可を大阪航空局より得ました。
このことから、弊社が拠点を構える愛知県のみならず、全国で物件吊り下げを活用したドローン業務を行うことが出来ます。また、許可・承認に際しては「何を」「どのように」吊り下げるのかについて規定を行う必要があります。
そうした中、本項で扱う「高所作業の補助」業務の他に、「救助」の項目でも物件吊り下げの許可を得ており、幅広い用途で物件吊り下げ業務を行うことが出来ます。
ドローンを用いた「親綱張り」は日本初の試みとなります。
親綱は前述したように、高所作業を行う際に作業員の命綱を掛ける為の綱を指します。多くの場合、柱と柱の間に親綱は渡され、そこに命綱のフックをかけることで、足を滑らせた場合でも落下を防ぐことが出来ます。
しかし、最初の作業である「親綱」をかける作業には、親綱による保証はありません。結果として「親綱」を張る作業自体が危険なものとなり、それに伴う転落事故も発生し、平成28年には死亡事故が起きました。
【屋根から転落、作業中の男性死亡。命綱張る最中、屋根抜ける / 埼玉新聞】
こういった危険作業の代行を、ドローンによる物件吊り下げで行うことが可能です。詳細に関しては企業秘密もありホームページ上で記載することは出来ませんが、お問合せ頂ければ実物や動画などを通じて説明させて頂きます。
全ての現場でドローンを用いて親綱を張ることは現実的ではありませんが、安全対策の一環として取り入れることには意義があることだと思っております。ドローンによる親綱張りに興味がある方は、お気軽に弊社までご連絡下さい。
親綱張りの代行の他、踏み抜き易いスレート屋根などの高所で作業中の人員の元へ物を運搬することも可能です。ドローンには「最大離陸重量」と呼ばれるものが設計されており、機体やバッテリープロペラを含め、これを超えた重量で飛行させることは航空法で禁止されています。
よって、物件吊り下げにも「重量」の問題が掛かります。弊社が使用している機体と許可・承認の内容なら、500g程度までなら十分に吊り下げることが可能です。
また、機体を変更することにより更に重い重量物も吊り下げることが出来ます。その場合は別途大阪航空局へ申請することになりますが、必要な場合は申請から機構の開発まで対応させて頂きます。
重量物の吊り下げも、弊社までご相談下さい。
ドローンによる親綱張りの代行から、スレート屋根などの高所への物の運搬の他、「物件吊り下げ」を用いて行えることは多くあります。また、こんなことは出来ないかというご要望にもお応えいたします。
ドローンの機構の開発や使用用途や方法論の開発でお困りでしたら、弊社へとご連絡下さい。